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読了:葉桜の季節に君を想うということ

※ネタバレはありません

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中居くんオススメの本、という事で娘が買った本ですが私が先に読み終わりました。1ページ目に、射精とか後戲とかいう単語が踊っていましたが全くエロい本ではありませんでした。笑

 

「現代ミステリーのベスト1です」という触れ込みでしたのでワクワクしながら読みました。最後に一気にトリックが暴かれるのが痛快!という部類の本と言えるでしょう。私は、良質の伏線が張り巡らされていて、それが少しずつ紐解かれるものが好きなので、突然暴かれるトリックに、え?は?はー。なるほど。と面食らっただけだったのですが。でも、トリックが暴かれたあと、本としては終わりかけわずか10数ページなのですが、作者が何故こういう本を書いたのかを読み取れる部分があり、ポロっと泣けました。途中の話の展開も面白くドンドン読み進められる本でした。

 

個人的に面白いなと思ったのは「葉桜の季節」という言葉から連想するものが私と作者では微妙に違っていたことです。作者にとっての「葉桜の季節」とは桜の花の散ったあとの葉っぱのついている季節の事を指しているようでした。春から秋にかけての桜です。私にとっての「葉桜の季節」は花が散ったあと、緑の葉っぱが瑞々しく生い茂る前の、あのコキタナイ桜の時期なんですよね。あの散りきらない桜とチョボチョボ出てくる緑の葉っぱが混ざってコキタナイ時期。私の中ではあの時期の桜だけは「ナシ」なんですよね。そのあとの夏の緑の桜も、秋の紅葉する桜も、冬の葉の落ちた桜も大好きなのですが、あの時期だけはいただけない。なので逆に「葉桜の季節」は私にとって特別な響きを持っているんです。綺麗に花が咲いて、そして散る。あんなに美しかったのに、あんなにみんなに愛でられたのに、今では化粧も崩れ、何をしても以前のような美しさには戻れそうにない。ただひたすらコキタナイ…。でも、コキタナイまま、しばらく頑張って生き抜けば、次には違うステージへと進める。今は耐えるんだ!そんなブリッジのような季節。人間にもありますよね?何やっても輝けない時期。でも、そのままある程度の時間が過ぎるのをジッと待っていると皮がむけたようにツルッとする。モヤが晴れる。みたいな時が。なので葉桜の季節の度に「うんうん、桜みたいな日本の花のスーパースターみたいな存在にもこういう時期があるんだ。」と妙に哲学的な気分になるんです。なので、そういった内容も入った本なのかな、と思っていたのですが、ちょと違ったわけです。

 

私の思う「葉桜の季節」の持つメッセージとは少しイメージが違っていますが、「葉桜の季節」はやはりこの本のキーワード的なものと言えると思います。痛快な種明かしの後にちょっと考えさせられる本。ぜひ読んでみてください。

 

追記

うちの娘がこの本を読んでトリックを理解できるかは謎。意味わからんかったーと言いそう。その前に読み終わらなさそう…。でも折角、縁あって手にとったのだから、なんとか中居くんへの愛で最後まで頑張って読みきって欲しい!

 

この本に関する別記事

funkeystomusic.hatenablog.com