English+Japanese

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英文の構造が見えるようになる第一歩

先日、教えている大人の生徒さんが「英文の構造が見えるようになる第一歩」を踏み出しました。本人も「おおお!そういう事なのか!」ととても感動していました^^。

 

大人になってから、新たに勉強を始めるってなかなかハードルが高いですよね。特に、「仕事で使うから」とか「将来必要だから」という強制的な要素が無い場合、なかなか重い腰が上りません。とりあえず、やってみるか!と始めても、遅々として進まない学習状況に挫けてしまう事がほとんどじゃないでしょうか。

 

私が教えている生徒さんも、パートで働いている主婦さんで、この先「英語」が必要になる事はほぼ無いのですが、ずっと「英語」が分かりたいなぁという思いがあったそうで、習いに来てくれています。「旅行で使う英語」とかじゃなくて、割とちゃんと英語を理解して使いたいという思いがあるようで、中学英語からやり直しています。

 

「中学英語」は皆さん一度やったはずなのですが、生徒さん曰く「こんな事、学校でやったかなぁ…」の連続だそう。一度「Do they ~? なんて文ありました?」と聞かれたことがあります。Do you~? しか覚えてない!と衝撃を受けていました。これは、習った事をほとんど忘れ去っている!もしくは、そもそも基本の所から理解していなかった!可能性が高い(^o^)。

 

でも、私自身、文法とかほぼ理解しないままフィーリングで大学まで出たくちなので、そういう事ってあるよねーと思っています。なので、別に大人になってからでも、順々に文法を理解していけば、英語は格段に理解しやすくなるはず、と確信しています。なので、基本的な中学校の問題集を3年分まずはやってもらいました。

 

「3年分やってもらいました」とサクッと言いましたが、うすい問題集でも、3年分やるのは結構大変なんです。でも、家でコツコツと本当に時間をかけて(1年くらいかかったと思います)やって下さいました。レッスンでは、やったところで質問があれば答える、という方式です。

 

時間をかけて、3年分、疑問点をその場で解決しながらやり終えたのですが、生徒さん曰く「なんにも、頭に残ってない気がする…」とのこと。私と同じ40代後半です。なんも頭に残ってないだろうこと、想像がつきます!(^o^)

 

でも、それがフツーです!1回やり直して、「ああ!そういう事なのか!」と理解し、「その後は迷うことなく英語が読める話せるようになった!」なんて事の方が不思議です。こっからが勝負なのです。「やっと準備運動が終わったとこ」なので、頭に残ってなくても悲しむ必要は一切ありません。

 

頭に残っていないとはいえ、一度目を通したという経験はとても大きい!のです。その後に英語に触れた時に「ああ、何となくやったなぁ…」と再認識することで記憶が強化されますし、「え??この間やったのに、なんも覚えてないんだけど?!」という経験も衝撃となって記憶に残ります。どちらも、その次に同じ形に出会った時に「あ!あれか?!」と記憶の糸が手繰りやすくなっているはずですから。

 

中学校の基本的な問題集を終えてからは、英検三級のテキストをやりました。まだ単語がそこまで難しくないし、文の形も単純なので、なんとなくフィーリングで解ける感じでした。実は英検三級くらいの文章は「中学レベルの文法が結構あやふや」でも読めるんです。単語さえ入っていれば。

 

英検三級のテキストが一通り終わってから、英検準二級にチャレンジしてみたい!ということで、今は準二級のテキストをやっています。

さあ、ここからが本番です!

単語も難しくなるうえに、文の構造がややこしくなってきます。フィーリングが通用しなくなってきます。単語を全部辞書で調べても、文の意味が読み取れなくなってくるのがこの辺りです。

 

「全然、先に進まないんですよね~~」と毎回レッスンで言っています。でも、良いんです。そりゃそうだもん!家では、問題を解くだけではなくて、全て和訳しているようで、答えに載っている訳と突き合わせても「よく分からん」というものを質問してくださいます。

 

パートもしながら、家の事もしながらの勉強ですので、毎回4~5文確認するくらいしか出来ない状況ですが、積み重ねって本当に偉大で、少しずつ少しずつ、英語の形に慣れていっているのを肌で感じます。本人は微々たる成長には気付いていない事も多いのですが、こちらは「この間はこの形を見抜けなかったのに、今回は見抜けてるぞ!」と細かい成長にも全部気付いています。

 

そして、昨日、生徒さん自身が感動するブレークスルーが起きました!\(^o^)/

 

それはこんな文を訳してみた時でした。

Under this system people enjoy many rights in carrying out economic activities.

 

単語の意味だけにしか目がいかないレベルだと、これだけ文が複雑になっちゃうともうお手上げなんですよね。この生徒さんも今までは単語を調べて、適当に「こんな意味になりそう」というフィーリングだけで訳をしていたんです。

 

文の形を把握するためには、どこが「主語」でどこが「動詞」か、を知る事がとても大切なんですよね。これは、今までも何度も何度もその生徒さんにも言っているのですが、でもどこが主語か動詞か分からないんだもん、という状況でした。そりゃそうです。まだまだ最初のうちは「そんな事には目がいかない」のですから。

 

昨日は、あらためて「どういう単語が主語になるのか」について話してみました。

私「主語になれるのは名詞だけなんですよ。」

生徒さん「名詞…ってなんでしたっけ?」

私「モノとかですよね。apple とか water とか」

生徒さん「う~ん。」

※名詞相当の他の品詞や句の話は省いて説明しています 

 

名詞とか、言葉で説明するの難しいですよね(笑)。でも、言葉には出来ないけどどれが名詞か判断出来れば良いわけです。

 

私「じゃあ、この文の名詞に全部丸付けてみましょう。」

Under this system people enjoy many rights in carrying out economic activities.

 

生徒さんは、結構サッと丸を付けることが出来ました。

Under this system people enjoy many rights in carrying out economic activities.

 

私「大正解!!!すごい!!!」

生徒さん「褒められるとめっちゃ嬉しい♡」

 

でも、これ、大げさでは無くて凄い事なんです!だって、これが英文の構造が見えるようになる第一歩なんですから!!!

品詞が分かる事!これがなくては、始まらんのです!!!

 

名詞が分かるって事は、きっと動詞も形容詞も副詞も前置詞も分かります。今はごっちゃになっている部分もあるかもしれないけど、一つが分かっているということは、システムを理解しているという事だから、このまま品詞に気を付ける読み方をしていけば、どんどん品詞の見分けは出来るようになると思われます。ああ!品詞の世界へようこそ!!

 

私「主語に慣れる候補はこれで出そろいました。因みに、この文の動詞ってどれですか?

生徒さん「う~ん…。」

 

確かにこれは難しいかも。答えは enjoy ですが、 enjoy を「楽しい」=形容詞、という感覚で使っている人が多いからです。enjoy は「楽しむ、享受する」という動詞なんですよね。でも、品詞を意識する勉強を続けていけば、この辺りの「間違いやすい」単語にも敏感になってきますので大丈夫。

 

私「主語(主部)って動詞の前までなんですよ。」

生徒さん「ええ!そうなんですか!」

 

いえ、何度も今まで言ってますけど(笑)。と思いましたが、でも、準備が整ってない時にどんなに説明しても本人には伝わらないもんなんですよね。昨日は「主語は動詞の前まで」という情報の受け入れ態勢が整っていた!

 

私「じゃあ、この文の主語ってどれでしょう?」

生徒さん「名詞で、動詞の前にあるやつだから…」

私「ちなみに前置詞のついた名詞は主語にはなれません。」

生徒さん「あ!それは何かで聞いたことがあったような…。」

 

Under this system people enjoy many rights in carrying out economic activities.

 

さあ、どれが主語でしょう?

enjoy の前にある名詞は system と people です。でも system の前には under っていう前置詞がついてますので…

 

生徒さん「people?」

私「大正解!!!」

 

 

Under this system  (副詞句) このシステムの下では

people (主語)人々は

enjoy  (動詞)享受します

many rights (目的語)沢山の権利を

in carrying out economic activities. (副詞句)経済的な活動を実行するうえで

 

Under this system people enjoy many rights in carrying out economic activities.

(このシステムの下では、人々は経済的な活動を実行するうえで沢山の権利を享受します)

 

生徒さん「おおお!!!こういう形になっているのか!!」

 

今までは単語ごとの無意味な繋がりにしか見えなかった英文が、意味をもった塊となって生徒さんの目に始めてうつった瞬間だと思われます\(^o^)/

 

一度これを味わったなら、これからは「形に意識する」読み方になってくるはず!

 

私「ちなみに、一つの文に動詞は一個しか入っていません。」

生徒さん「ええ!!!」

 

内緒にしてたわけじゃ無いですよ?(笑)

 

こういった情報って英語を理解するうえですごーく大切なんですけど、品詞の理解がある程度ないと、通じないんです。

 

生徒さん「あ!でも andとかがあれば動詞が二つになります?」

私「そう!!そうです!接続詞が入っていれば動詞は、その接続詞より1つ多い数入ってます!」

生徒さん「おー!」

 

一つドアが開くと、次々とドアが開いていく感じですね。

 

生徒さん「あれ?でも関係代名詞があると動詞が1つじゃないような…」

私「確かに!でもあれは、ちょっと複雑なんですけどね、…」

 

どんどんドアが開きます(^o^)

 

関係代名詞の入った文の解釈の仕方まで説明して昨日はレッスンを終えました。

 

中学校の英語からやり直して、ここまで来るには、生徒さんにとっては結構大変だったと思います。でも、昨日は「あー分かったー!」を実感出来て嬉しかったんじゃないかな。私はサポートは出来るけど、やっぱり「分かった」に到達するには本人の頑張りがモノを言います。だからこういう場面に立ち会えるのって結構レアなんですよね。だから私も嬉しいです。「感動を有難う\(^o^)/」です!

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