English+Japanese

英語と日本語のこと。about English and Japanese and more...

日本語の「もの」についての考察。完全に迷宮入りです。

先日の日本語のレッスンで生徒さんに質問された「「もの」と「こと」の使い分け」についてずっと考えておりますヨーコです。というか、使い分けにまで到達しておらず「もの」の使い方で既に迷路を彷徨っている状態です。Jesus!!!

事の発端は私が準備していったエッセーの中の1文でした。

私が英語の勉強を始めたのは小学校四年生の時でした。近所に小さな英会話教室ができたのがきっかけです。週に二回、友達と一緒に通って英語を勉強しました。勉強と言っても、簡単な単語を使ってゲームをしたりする楽しいものでした。
 
ここにでてくる「もの」は「こと」と置き換え可能ですか?
というのが生徒さんの質問です。
 
とりあえず「交換不可能」な事は明白ですよね。「こと」にしたら変な響きです。そんな日本語聞いたことないです。でも、「なんで?」かは分からない…。ので調べてからお答えする、という事にしたので家に帰ってかれこれ3日考えてるんですが、調べれば調べるほど迷路の奥深くへ分け入っていっているようなのです。←
 

「もの」の意味

まあ、まずは電子辞書に入っている4冊の国語辞書と二冊の和英辞書を読んで「もの」とはどうやって説明されているのか?を調べてみましたが、とにかく説明が多い…
wikipediaには↓こんな感じで載ってます。他の辞書も大体同じような感じでした。

 ものぶつ)とは、広義には対象を特定化せず一般的・包括的にいうであり、人間が知覚し思考し得る対象の一切である[1]

  • 空間のある部分を占め、人間の感覚で捉えることが出来る形を持つ対象。

  • 具体的な存在から離れた、人間が考えられ得る形を持たない対象。

  • 妖怪霊魂等、不可思議で霊力を持つ得体が知れない存在。

  • 哲学では経験対象客観)とされる時間的存在者のこと。空間的・時間的対象。ドイツ語で Ding。(反対語:物自体 Ding an sich)

    • 狭義にはこのもの、あのものと指示し得る感覚的個物(「椅子」「机」等)を意味するが、広義には思考の対象となり、命題の主題となり得る万物、例えば価値などの非感覚的個物をも含めて意味する。

  • 商品。また、経済学では、のうち、物理的なものを指す。「モノ」と書かれることもある。

  • 物 (法律)とは、人(自然人)に対する言葉で、権利等の客体となるものをいう。民法上は、有体物をいう。法律家は「ブツ」と読むことも多い。

  • 日常生活では、食べ物飲み物宝物下手物初物色物等、不特定または多様な物品、個体などを指すのに用いられることが多い。

  • ブツ」と音読みにする場合でも、廃棄物動物、などのように同様の意味を持つことが多い。また隠語的に、(公言できない)物品の代名詞としても用いられる(→ブツ)。 wikipedia より

 長いっすよね。フツーに。で、最初の二つに注目してほしいのですが

  • 空間のある部分を占め、人間の感覚で捉えることが出来る形を持つ対象。

  • 具体的な存在から離れた、人間が考えられ得る形を持たない対象。

もうここで挫折しそうです(笑)。「もの」と「こと」の使い分けの前に「もの」で路頭に迷ったとはこういう事です。 

「もの」について全容が把握できない!!! 

全容が把握できずに比較などできるだろうか。いいやできない。 

 

この段階で十分混乱しているのですが、この後、「もの」にはなんと「名詞」としての働きの他に「終助詞」としての働きもあるということを文法書で知ります。

 

「-ものだ」

 ◆「ーものだ」という用法です。

日本語を教えている友達にも分かりやすく教えてもらいました。

もの、ことは、前に出てきた物や状況を再度指す場合以外に、以下のような表現でも使いますー。

〜ものです/〜ものだ

は、当然を表す表現と回顧の表現があります。

山登りは苦しいものだ。(当然)

昔はよく山に登ったものだ。(回顧)

〜ことです/〜ことだ

は、勧めや詠嘆で使うよ。

登山の楽しみが分かりたければ、一度山に登ることだ。(勧め)

富士山に登るなんて、本当にすごいことだ。(詠嘆)

優秀な友からのコメントより

 ということは、私は私の知らぬうちに(?)、回顧しながらあのエッセーを書いていたのだろうか!?

「勉強と言っても、簡単な単語を使ってゲームをしたりする楽しいものでした。

これは回顧の「ーものだ」なのか!? と一旦解決しかけたのですが「いや、待てよ。「楽しかったものです」なら回顧っぽいけど「楽しいものでした」は本当に回顧なのか??

例1)

「勉強と言っても、簡単な単語を使ってゲームをしたりする楽しいものでした。

例2)

「勉強と言っても、簡単な単語を使ってゲームをしたりと、楽しかったものです。」

 例2は「回顧」っぽいけど、例1はなんかちょっと…え?微妙じゃない? 

 

文法的には、形容詞「楽しい」と一緒に終助詞の「ものだ」を使う時の過去形はどうなるものなの?

「楽しいものでした?」

「楽しかったものです?」

どっちが過去形として正しいの?

ほら、「楽しいでした。」とは言わないけど「楽しかったです。」は言うじゃない?なんか形容詞+終助詞の文法的な決まりがあるんじゃないの?もし「終助詞」ではない事が確定すれば「名詞」として処理できるんだけど…。

 

いや待てよ。これは英語でいう所のseemの用法に似てるのか?

●楽しいものです。

●楽しかったものです。

●楽しいものでした。

●楽しかったものでした。

どれでも文法的にはオッケーで視点が違う、みたいな?となるとやっぱり終助詞か名詞か文法的観点からはハッキリしないじゃん!

 

うぐぅぅぅ。

 

なんの結論も見いだせない!!!

 

※seemについてはこちら↓

funkeystomusic.hatenadiary.jp

もう一度整理してみる

ここでもう一度頭を整理してみることにしました。この文章を書いたのは私なのだ。どういうつもりで「もの」を使ったのか、書いた本人が分からぬわけがないじゃないか! 

 

「勉強と言っても、簡単な単語を使ってゲームをしたりする楽しいものでした。」

 

という文、そもそも主語が無いよね…。という事に気付きました。これが「日本語には主語が無い!」とよく言われる所以ですね。ええ。こういう文平気で書いちゃうよね。  省略された部分を全て再現するとこうなるはずだ。

 

「勉強とは言っても、それ(英会話教室でのレッスン)は簡単な単語を使ってゲームをしたりする楽しいものでした。」

 

うん。

これって……。

私の中では「レッスン」という単語を使わずに、ボヤかして「もの」っていうつもりで書いた気がする…………。

でも「回顧の気持ち」も入ってた気もする…………。

 

そもそも「レッスン」は「もの」として表現可能な単語なのか?

そもそも私の日本語が文法的には「?」な文だったんだろうか?

(その可能性が非常に高そうだが)

 

はぁ。。。

 

まとめ

もう少し調べながら考えてみます(笑)。

もしもう少し調べても答えが見いだせなかったら

●私がどういうつもりで「もの」を使ったのかまず不明

●この表現が文法的に正しいかどうかも不明

●ここでは「こと」とは交換不可能(なぜかは不明)

と現段階で分かっていることを素直に伝えて(なんも解決してない!)、これからも引き続き「フォロー案件」として用法の謎に迫っていくつもりである、とお話ししようと思います。

こんなにベラベラ喋れるのに全く説明できないねぇ…。

本当にネイティブってどういうつもりで喋ってるんだか…。

でも、ネイティブに「なんでか知らないけど、そういうもんなんで、そうやって覚えて。」と言われるのが一番ガックリくるので、何とかお力になれるようもう少し頑張って情報を集めたいと思います。

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