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2020年度より始まる新共通テストのプレテスト(英語)の分析

現在の大学受験が2020年度から変わりますよね。その新システム導入に向けて先日プレテストなるものが実施されました。その問題が一部新聞に掲載されましたので、「一体どんな問題だったのか」見ていきたいと思います。

 

 問題の内容

まず毎日新聞(2018年11月11日)に掲載された「問題の内容」を見ていきましょう。箇条書きに引用します。

問題の内容

リーディング、ライティング部分

●問題文も問いも全て英語で示した。 

●国際的な指標CEFRを参考にA1~B1までの問題を組み合わせた。

●筆記は、授業でディベートを行ったりグループでプレゼンテーションをしたりする準備として、記事を読む問題などを出題。

●「読む力」の把握を目的とし、発音、アクセントの問題は出さなかった

リスニング部分

●リスニングは、実際のコミュニケーションの場面をより重視した。

●B1程度の力を求めると胃の読み上げの回数は、基本的に一回。

●内容を聞き取りやすくし、解答の時間を増やすため、問題の間隔を長くした

 

1つ1つどういう事か見てみましょう。

 

●問題文も問いも全て英語で示した。

問題が英語なので難易度は上がりますよね。でも、問題文は大体同じような文言になりますし、テストの内容より難しい文が出てくるわけではないと思いますので、そこまで負担にはならないと思います。


●国際的な指標CEFRを参考にA1~B1までの問題を組み合わせた。

「6段階あるレベルの3段階までのレベルを出す」という事ですね。国際的にみて、ちょうど真ん中のレベルまでの問題を出すと。


●筆記は、授業でディベートを行ったりグループでプレゼンテーションをしたりする準備として、記事を読む問題などを出題。

新聞には筆記の問題が載っていませんでしたので、実際どんな問題だったのかは分かりませんが、恐らく「何かの記事を読ませてから、それに関しての意見を問う」という問題だったのではないかと思います。なので、「正しく記事を読む」+「自分の意見を英語で伝える」という技術が必要かと思います。TOEFL には似たような問題がありますね。


●「読む力」の把握を目的とし、発音、アクセントの問題は出さなかった

これ、最高!ずーっと発音とアクセントの問題なくしたらええのに!と思ってたから。実際、耳で聞いてその単語を理解できればいいわけで、字を見た時に「オー」なのか「オウ」なのかとかが判別できる必要はそこまで無いと思っているから。発音する時も、そこまで厳密に発音しなくてもよいし。文の流れとか形とかが正確である方がよっぽど重要だからね。


●リスニングは、実際のコミュニケーションの場面をより重視した。

会話っぽいものがメインになるという事ですかね


●B1程度の力を求めると胃の読み上げの回数は、基本的に一回。

うわぁぁ。一回かぁぁぁ。一回はキツイんだよね。


●内容を聞き取りやすくし、解答の時間を増やすため、問題の間隔を長くした。

内容を聞き取りやすく?なんだこれ? アナウンサーのような超正しい英語を話す人が割とゆっくり話してくれるってことかい?オーストラリアのおっさんとかイギリスの貴婦人とかみたいな聞き取りにくい英語ではないですよってこと?(笑)

解答時間を長くしてくれるのは嬉しいけど、1回しか聞けないってのは難易度高くなるよね~。

 

 新聞に載っていた問題1

 
英語の料理サイトを見ている設定。
●まずは英語でレシピが書いてある(meat and potato pieのレシピ。料理手順が3段階ある。単語、表現は簡単)
●それについてのreview &comments がある(二人分:いずれも短い。20語以内)
 
 
 【問題、解答について】
●直接答えとなる表現があるわけではない。
●料理の合計時間を問う問題があるが、レシピに書いてある時間を足し算しても答えにはならない。なぜならレシピに書いてある時間は「ゆでる時間」「オーブンで焼く時間」などしか書いてないけど、実際は切ったり、測ったりの時間もかかるはずだから。→英語を理解したうえで、正しく現場の状況を把握できるかを問うている
●fact (事実)と opinion(意見)を見極めないといけない問題がある。
問題例)According to the website, one opinion ( not a fact) about the recipe is that...
(ウェブサイトによると、そのレシピについての意見(事実ではない)はthat以下である)
このようになっており、that 以下の内容を選択肢で選ばせます。
 
レシピやコメントなど、バーっと情報が書いてあるのを読むわけだけど、この情報は「事実」なのか「意見」なのかを見極める技術が問われるわけです。確かにこのスキルは日常生活でも必要ですよね。
 

 新聞に載っていた問題2

 
新聞記事
●携帯電話の学校での使用について(3パラグラフ:1パラグラフ50~80語。)
それについてのコメント
●1件(50語弱)
 
【問題、解答について】
●ザ・新聞記事という感じの文章を読んで、情報をとる問題
●この記事を読んで、この制度に賛成するなら/ 反対するならどの「意見」を採用するかを選ばせる。ここでも「意見」と「事実」の違いを強調した問題。
●難しい表現の意味を問う問題
●コメントから情報をとる問題
 
賛成、反対をサポートする「意見」を選ばせる問題は難易度が高かった思う。選択肢に
①「意見」として「あり」だけど記事に書いてない(でも暗示されてる気がする)事
② 関係ない事
③「事実」っぽい「意見」(正答)
④「事実」
があり、①と③と④で迷うと思う。
 

 新聞に載っていた問題3

 

雑誌の記事(タイトル:The person who revolutionized American journalism)
●5パラグラフ(1パラグラフ100語前後。長い!)
ポスタープレゼンテーション用のポスター
●記事をまとめたもの。年表やメインポイントの箇条書き。
 
【問題、解答について】
●記事を読んで、年表を作る(物事の起こった順番を正しく並べる)
●主旨を読み取る
●正しいものを選ぶ(数の指定はない!)
問題例)Choose the best statement(s) to complete the poster.(You may choose more than one opinion.)
これはなかなか難しい。正しいものが何個あるのか分からないので、細かいところまで読み込んでおかないときちんと正答を選ぶことが難しい。しかも、正しいものを全て選んでいないと点数はもらえないのだ!
 
最近は、「ポスタープレゼンテーション」なるものがあるんですよね。自分のプレゼンしたいことを1枚のポスターにして、それを見ながらプレゼンするっていう。大学でもよくあるそうですので、そういうものを問題に取り入れたんでしょうね。

 

2020年度、もうすぐですけど…。まだまだ決まってない事だらけで不安になりますが、一応「こんな問題が出るかも…」と覚悟しておこうと思います。